どうも~ふるしょうです。SOYCMSの記事ばかりでも面白くないので、今日はちょっと別の内容で書きますね。
心理学の一分野に、選択行動解析というものがあります。人間が何かを選択するときに、どういう思考プロセスをたどるか研究する、というものです。
Web制作における情報設計を行う上で、知っておいても損は無いと思うのでちょっと取り上げてみたいと思います。
人間の選択行動と選択肢集合形成過程
細かな議論はここでは割愛してざっくりと結論だけ述べると、「人はものを選択するときに、まずは直感的に2つか3つの候補(これらを選択肢集合と呼ぶ)を選び、じっくり比較するのはその中に限られる」らしい、という有力な仮説があります。
もちろんこれは、たとえばサーバを選択する時のように明確な基準が決まっている場合や、職務上全ての選択肢について詳細な検討をしなければならない場合には当てはまりません。あくまで一般的、日常的な選択行動に限ったお話です。とはいえ、購買行動のほか経路や目的地の選択など、かなり幅広い分野で同じような結果が報告されています。
Web制作に応用できること
Web制作においては、ECなど直接関係のする領域はもちろんありますが、それ以外についても下記の二つの点を頭の隅においておくといいんじゃないかと思います。
それは、人間の頭はそう多くの選択肢を比較検討できるようにはできていないということと、直感的に選択肢を絞る時にも、なにかしらの手がかりが無ければ上手く絞込みを行うことができないということです。
一般にユーザビリティの議論がされるときには、「目的のある利用者」が「特定のコンテンツを探す」場合に、いかにストレス無く目的のコンテンツにたどり着くことができるかという問題が前提になることが多いと思います。
ただ、実際には(明確な)目的がなく来る人を前提にするコンテンツも存在します。ECだと、サイトを見ながら商品を選ぶ場合なんかそうですし、CGMサービスは一般的にそうでしょう。
そういうときに、この直感的絞込み(選択肢集合の形成、専門用語で非保障型の選択行動といいます)を行いやすいような見せ方をしておくか、もしくは最初から選択肢が3つ程度に絞り込まれるようなナビゲーションを用意しておくと、利用者のストレスが小さくて済みます。
もちろん、利用者によってどのような情報をより重視するのかは違いますが、そういったことが状況が想定しきれない場合であっても、情報がちゃんと読まれた上で選択されるのではなく、まずは直感的な選別の対象になるのだということを知っていれば、デザインだけでなく文章の表現なども変わる部分が出てくるのではないでしょうか。
また折をみて詳しい事例のお話なども書けたらと思います。
こんばんは。今回は、ちょっと違った切り口ですね!
「直感的に選択肢を絞る時にも、なにかしらの手がかり…」の最たるものって、「好き・嫌い」なのかなって、思っています。
人間は、生まれて間もないころからこの「好き・嫌い」によってあらゆるものを選択している生き物だから。
私は、実際にこの「好き・嫌い」をデザインをする上でかなり重要視しています。
やっぱり、理屈ぬきに「魅せられるモノ」とか「好きなモノ」って人を圧倒するものがあるんですよね。
そうですね~
そこでさらに問題になるのは、じゃあ何をもって好きか嫌いか判断しているか、です。
好みは人それぞれ違いますし(=人によって判断基準が違う)、そもそも基準は漠然としたものです(直感的判断では数字とにらめっこするようなことはされない)。
たとえば背の高い女性が好きな人がいたとして、その判断が「身長1670mm以上でなければならない」とはならない、という風に。
そういう「なんとなく」の情報をいかにうまく伝えるかがポイントでしょうか。